ストレスが全身に及ぼす影響と、頭皮ケアのための食事、運動、リラクゼーションの提案
ストレスによって増える活性酸素の生成を抑える!
活性酸素の影響とは?
「ケン先生、日々の忙しさの中でストレスを避けるのは難しいですが、ストレスが多すぎると体にどんな影響があるんですか?」
「るなさん、ストレスを溜め込むと体内の重要な栄養素を大量に消費し、活性酸素が増えてしまいます。これが心身の不調を引き起こし、うつ症状や生活習慣病などの深刻な問題へつながることがあります」
「ストレスは頭皮や髪にも影響するんですか?」
「はい、ストレスは頭皮や髪に悪影響を及ぼし、白髪や脱毛の原因になります。だから、ストレスを減らすこと、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。ストレス管理は心身の健康に欠かせません」
「ケン先生、適度なストレスって仕事の効率向上に役立つと聞きましたがどうなんですか?ストレスは全くない方がいいですよね?」
「適度なストレスは緊張感を高め、危険を察知しやすくし、仕事の効率を上げる効果があります。特に外科医や警察官など緊張が必要な職業や、集中力が求められる仕事には役立ちます。だけど、ストレスが長引くと集中力が落ちたり健康に悪影響を与えることがあり、免疫系が乱れたり、不安、不眠、食欲不調、肌トラブル、肥満、脱毛、白髪などの問題が生じることも。ストレスは活性酸素を増やし、老化や生活習慣病、精神障害のリスクも高めます」
「では、ストレス対策にはどんな方法があるんですか?」
「セロトニンですか?聞いたことないです!教えてください。」
セロトニンの役割とは?
「ストレスでアドレナリンやノルアドレナリンが出て感情が乱れやすいけど、セロトニンが心のバランスを整えてくれます。ストレスを完全になくすのは難しいけど、バランスのいい食事、十分な睡眠、適度な運動、リラクゼーションでセロトニンを増やせば、ストレス対処ができて心身の健康を保てます」
「セロトニンを増やすには、セロトニン合成に必要なビタミンB6、セロトニンの原料である必須アミノ酸のトリプトファン、そしてトリプトファンの脳内吸収を助け、セロトニン神経を活性化させる炭水化物を含む食品を摂ることが良いですね」
「トリプトファンは体内で作れないから食事で取る必要があるんです。セロトニンを増やすには、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物を含むバナナがいいですよ。大豆製品は良質なタンパク質とトリプトファンが豊富で、チーズからも効率よくトリプトファンを摂れます。マグロの赤身やカツオのたたきもトリプトファンが多く含まれています。朝食をしっかり食べて、よく噛むことでセロトニン神経が活発になります」
「ウォーキングや水泳みたいに筋肉が緊張と弛緩を繰り返す運動をリズムを意識してやると、セロトニンが増えます。朝日を浴びて体操するのもいいですね。特に冬は運動不足になりがちだから、北海道など雪国では歩くスキーなどの運動がおすすめです」
「腹式呼吸はセロトニン分泌を促し、ストレス解消に役立ちます。大きく笑ったり、カラオケで歌ったりすると、自然と腹式呼吸になり、これがセロトニンの分泌を助けます。腹式呼吸は、腹筋を使って息をしっかり吐き出し、その反動で息を吸う方法です」
「我慢せずに泣くとセロトニンが活性化し、ストレス解消に役立ちます。感動の涙がセロトニン神経に作用するため、感動物の小説、映画、ドラマ、TV、漫画などを見て、心から思いっきり泣くことがおすすめです。」
「セロトニン神経は起床と同時に動き始め、太陽の光がセロトニンの分泌を促進します。起床後にカーテンを開け、部屋に日光を取り入れることが重要です。また、毎日外に出て日光を浴びる習慣を持つこともおすすめです。」
「ストレスを感じると、体は栄養素を筋肉、脳、副腎に優先的に送ります。これで他の組織は栄養不足になりがちです。空腹時のストレスは特に厳しく、体のタンパク質を分解してエネルギーに変え、胃潰瘍や肌荒れのような問題を起こします。長期ストレスは筋肉や脳のタンパク質を使い果たし、抵抗力も弱めます。さらに、カルシウムやマグネシウムの排泄を増やし、吸収を減らすため、栄養不足の一因となります」
「ストレスが増えると、ホルモンを作るのにビタミンCがたくさん使われます。ビタミンCは副腎ホルモンの合成、鉄吸収の促進、コラーゲンの生成、メラニンの生成抑制、インターフェロンの生成など、健康や美容にとって重要な役割を持つ栄養素です。水溶性で体内に蓄えられないため、毎日摂取する必要があります。ビタミンCは野菜に多く含まれますが、水に溶けやすいので、調理は手早くするのが良いです」
「カルシウムは骨の形成に不可欠であり、ストレス対策や精神安定にも効果があります。血液凝固、筋肉収縮、神経興奮抑制、血圧コントロールなど多くの重要な機能を担っています。カルシウム欠乏は動悸、息切れ、アレルギー、高血圧、骨粗しょう症などのリスクを高めます。日本人のカルシウム摂取量は不足傾向にあるため、クエン酸やたんぱく質と一緒に摂取して吸収率を高めることが大切です。牛乳はカルシウムの吸収率が高く、睡眠中の骨粗しょう症予防や良い眠りにつくためにも夜に飲むと効果的です。」
「ストレスが溜まると、お酒やタバコの消費が増えることがあります。適度な喫煙や飲酒はストレス解消になることもありますが、過度になるとビタミンCの減少を招き、ストレスを助長する恐れがあります。アルコール分解でビタミンCが消費され、多量飲酒者は血中ビタミンC濃度が低下します。タバコの煙でビタミンCやEが消費され、喫煙者は体内ビタミンCが減少し、ストレスを抱えやすくなります。タバコのニコチンはカルシウム吸収を減少させ、イライラしやすくなることも報告されています。」
「亜鉛は体内の約300種類の酵素を活性化し、栄養素の分解・吸収、ホルモン生成、菌やウイルスへの攻撃に重要な役割を果たします。ストレスで亜鉛が不足すると、味覚障害や肌荒れなどの不調が現れます。女性では生理不順や不妊に、妊娠中は胎児の成長不良に影響することがあります。脳内では記憶力や集中力、神経細胞間の伝達に関わり、うつ病や痴呆にも関与します。亜鉛は牡蠣、豚レバー、ラム、ココア、牛赤身肉、煮干し、タタミイワシ、アーモンド、胡麻、松の実などに含まれています。高齢者は血圧やコレステロールの薬が亜鉛の吸収を阻害することがあるため、亜鉛不足に注意が必要です。」
様々な睡眠障害と改善に役立つビタミンB群
「不規則な生活やストレスによる睡眠障害は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒などの形で現れ、悪循環を引き起こすことがあります。これらの睡眠障害の改善にはビタミンB群が役立ちます。ビタミンB6はメラトニンの形成を助け、睡眠を促進します。ビタミンB12は睡眠サイクルの乱れを整え、ナイアシンは不眠に伴う抑うつ状態を改善します。葉酸はビタミンB12と協力して疲労による睡眠障害を改善します。これらの栄養素はレバー、マグロ、カツオ、魚介類、海苔、たらこ、明太子、うに、枝豆、納豆などに含まれています。」
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