ハートシェイプドボックスのリケラパーマ|どんな髪質でも理想のスタイルを叶える
パーマを成功させるためのハートシェイプドボックスの技術
パーマ成功のための10の
重要ポイント詳細解説
「ケン先生、ハートシェイプドボックスはパーマが得意だと聞きましたが具体的にどのような技術があるのですか?」
「はい!パーマは僕がスタイリストデビューした2000年から、年間300~400人に施術してきました。
当店はパーマのノウハウが豊富で、技術力に自信があります。
今はカラーが主流ですが、美容師の腕が最も試されるのはパーマです。
パーマ技術は、カラーが,
・薬剤調合
・薬剤塗布技術
が主な作業なのに対し、(特殊カラーを除いて)
・薬剤調合
・薬剤塗布技術
・【ワインディング技術(巻く技術)】
の3つが必要です。同じロッドを使っても、髪質によってウェーブが異なるため、髪質を見極める経験が重要です。
当店のパーマの特徴は、オーナーの簗取が幅広い客層に対応し、ハード系からスタンダードなパーマまで経験が豊富なことです。
巻き方や薬剤、処理方法などの引き出しが多いため、
他店で満足できなかった方も、当店でパーマの良さを実感していただけると思います。」
「技術と経験値が必要なんですね?具体的にこちらのお店ではどういった事を大事にしてパーマ工程をおこなっていますか?」
「パーマの成功のカギは、次の10個の施術時のポイントにあります。」
- ①事前の毛髪状態に合わせた準備
- ②1剤の適切な選定と作用時間の調整
- ③ワインディングのロッド配置と巻き方の選定
- ④1剤のしっかりとした水洗
- ⑤1剤水洗後の中間処理で質感調整とリカバリー対応
- ⑥中間処理後のウェーブ形成方法のバリエーション
- ⑦ウェーブ形成中のリカバリー対応力
- ⑧2剤の調合バリエーション
- ⑨後処理の順序と調合バリエーション
- ⑩パーマデザインに合わせた最適な乾かし方の知識
「こんなに気を付けなければいけないのですね!何気なくやってもらってましたが、注意するポイントがたくさんあるのに驚きました。」
「そうなんです!美容師にとって、パーマは長年研究しても奥深く、経験を積むほど楽しくなる技術なんです。
まず
【①の事前の毛髪状態に合わせた準備】
について解説しますね。お客様の髪質は人それぞれなので、イメージしやすいように髪を擬人化して例えて説明します。
太い髪の例
-
a. 太くてかかりにくく、パーマがすぐ取れる髪
(パーマ1剤に徹底して反発し、頑として受け入れない強メンタルの頑固人) -
b. 太くてかかりにくいが、一度かかれば長持ちする髪
(最初は頑固だけど、一度受け入れたら素直で続ける人) -
c. 太くてかかりやすいが、1週間ほどで徐々にパーマが取れる髪
(最初は素直で受け入れるが、後から反発してくる人) -
d. 太くてかかりやすく、パーマが長持ちする髪
(体が丈夫で性格も素直で謙虚な人)
「普通~細い髪の例」
-
a. 普通~細くてかかりやすいが、パーマがすぐに取れる髪
(とても謙虚で素直だが、メンタルが弱く、すぐに疲れてしまう人) -
b. 普通~細いが、かかりやすく、長持ちする髪
(謙虚で素直、メンタルも強いが、体が弱いため、しっかりケアしないとダメージを受けてしまう) -
c. 普通~細く、かかりやすいが、巻いたロッドよりも細いジリジリパーマになる髪
(素直で真面目すぎて、過剰に頑張りすぎ、逆にダメージを受けやすいタイプ) -
d. 普通~細い、またはダメージの強い髪で、ケラチンが少なすぎてパーマがかからない髪
(重病人や老人、幼児に健康な大人がするような重労働をさせるような状態)
①事前の毛髪状態に合わせた準備
②1剤の適切な選定と作用時間の調整
③ワインディングのロッド配置と巻き方の選定
④1剤のしっかりとした水洗
⑤1剤水洗後の中間処理で質感調整とリカバリー対応
⑥中間処理後のウェーブ形成方法のバリエーション
⑦ウェーブ形成中のリカバリー対応力
⑧2剤の調合バリエーション
⑨後処理の順序と調合バリエーション
⑩パーマデザインに合わせた最適な乾かし方の知識
「当店では、このような様々な髪質に対応するために、【①の事前の毛髪状態に合わせた準備】で前処理を行います。太い髪にはパーマ1剤がしっかり作用するように、細い髪には1剤が作用しても耐えられるよう、髪に体力をつける下ごしらえをしています。」
【②1剤の適切な選定と作用時間の調整】
髪質に合わせて、髪の体力をできるだけ損なわないように、1剤を単品または2種類を調合して選定・塗布します。
【③ワインディング工程】
パーマで最も重要なのは③のワインディング工程です!①②が完璧でも、③を間違えると、手触りは良くても「昭和パーマ」や「ボンバーパーマ」、「ゆるすぎて形が保てないパーマ」など、デザインが失敗してしまうことがあります。ハートシェイプドボックスでは、スパイラル巻き、ツイストスパイラル巻き、ハネ巻き、根本のみツイストのスパイラル巻き、根本つぶし巻き(逆巻き)、クロス巻き、ハネ巻き、バウンシー登り巻き、リフトアップ巻き、リフトダウン巻き、リフトアップピンカール、リフトダウンピンカール、つぶしピンカールなど駆使してデザインしてきます。
【④の1剤水洗工程】では、髪への負担を最小限に抑えるために、1剤の作用時間を3分以内にしています。パーマで髪を曲げる際に最も重要な役割を果たすけれども、髪に残ってはいけないSh基(硫黄原子と水素原子が結合したもの)をしっかり働かせてから洗い流しやすくしています。さらに、Sh基の作用を止める不活化処理を施すことで、パーマ後の残臭の原因となる硫黄成分の臭いもカバーしています。
【⑤ 中間処理工程】
以前、太い髪や細い髪を人間に例えて説明しましたが、特に髪の体力が弱っている場合に行う処理です。この⑤の工程でパーマ形状が思い通りなら、パーマ成功率は90%です。しかし、①〜④の工程で「この形状なら大丈夫」と確信して進んでも、⑤の工程で「このままだと1週間で取れるかも…」や「曲がりすぎてる!」といった緊急事態が発生することもあります。髪はマニュアル通りにいかないことが多く、予期せぬトラブルが起こることがあります。僕も2000年から施術を続けていますが、100人に1〜2人ほど、そういった「まさか!」という髪に遭遇します。ただし、安心してください。この⑤の工程は、そんな緊急事態に対応するための切り札でもあります。
【⑥⑦ ウェーブ形成期工程】
この工程では、パーマ形状を安定させるために、分子振動機器や湿熱を利用し、⑤で塗布した処理剤を浸透・定着させ、パーマ形状をさらに安定化させます。しかし、ここにも注意が必要です。一見素直に見えて徐々に反発してくる髪や、素直だけれど形状が持たない髪に対しては、この段階でロッドを外し、髪の状態を確認します。もし1週間で取れてしまいそうな懸念がある場合は、低温ドライヤー(高温は不可)での乾熱収斂処理や、ポリフェノールを使った水抜き収斂処理を行い、安定性を高めます。
【⑧ 2剤工程】
この工程では、2種類のパーマ2剤(ブロム酸塩と過酸化水)を使い分けます。仕上がりのパーマの質感が異なるため、①の髪質別やパーマの形状別に合わせて選びます。また、⑤⑥⑦で緊急事態が発生した場合や、⑦で収斂処理を行った際は、濃度の高い方を選ぶなどの調整を行います。ここでパーマ形状に大きな影響が出ることはほとんどありませんが、しっかり揉み込んで浸透させることが大切です。
【⑨ 後処理工程】
この工程では、⑧の2剤が髪や頭皮に残留しないよう、しっかり処理します。2剤が頭皮に残ると、薄毛や炎症の原因になるため、非常に重要な工程です。具体的には、残留した2剤を不活化し、髪と頭皮を弱酸性に戻すバッファー処理や、残臭の処理を行います。必要に応じて、さらに収斂処理を加え、パーマの形成をサポートすることもあります。
【⑩のスタイリング工程】は③の工程のワインディングと連動させた乾かし方などがあるのですが、基本は楽ちんに乾かしてデザインが完成するようにパーマのワインディング配置や巻き方の設計しておりますが、髪質によって乾かし方テクニックが必要な場合もあります」
「詳しい説明ありがとうございました。パーマはたくさんのターニングポイントを経て、きちんとデザインされているんだとわかりました!」