トリートメントの効果が短期間で消える理由
美容室トリートメントの効果を長持ちさせるために意識するべきポイント
美容師が行う定着力アップの技術とその効果

「ケン先生!美容室でトリートメントしても3日ぐらいで効果が無くなってしまうのは私の髪がダメージしすぎてるからなんですか?」

「はい!美容室のトリートメントを持続させるためには、以下のポイントが大切です。
【美容師が意識すべきポイント】
- トリートメント成分が流出しにくくするための事前の定着力アップ処理
- お客様の髪の状態に合わせた必要な成分の見極め
- 成分導入後の定着処理
【お客様が気をつけるべきポイント】
- 髪に摩擦をかけないタオルドライ方法
- 洗い流さないトリートメントでの毎日の成分補充
- 季節や状況に合わせたドライヤーでの乾かし方
これらを意識することで、トリートメント効果を長持ちさせることができます。」

「すごく興味あるので詳しく教えていただいてもいいですか?」

「まず大切なのは、大きくダメージした髪が一回のトリートメントで完全に復活する「魔法の薬剤」は存在しないということです。
一時的に髪が復活したように見えることはできますが、それはあくまで対症療法です。
ですので、ダメージ後にトリートメントに頼るという考え方ではなく、美容師とお客様が協力して日々のケアを積み重ねることが大切です。長期的には、この積み重ねこそが髪の健康と美しさを守る鍵になります。」

「協力ですか?具体的に教えてほしいです!」

「毎日美容室でトリートメントを受ければ確かに髪は良くなりますが、1回6,000円を365日続けると219万円にもなり、現実的ではありません。
月1回なら年間72,000円で現実的ですが、年間12回の施術なので、残りの353日はお客様が自宅でケアする必要があります。
その時に、美容師の手の代わりとして活躍するのがホームケア剤なんです。

「なるほど!そこでさっきの
【お客様側の気を付けるポイントの①②③】
が役立ってくるのですね。でも年間12回トリートメント+毎回流さないトリートメント買うとなるとさらに高くなってしまいますよね…」

「はい!実はもっとコスパがよくて効果も長持ちする方法があるんですよ!」

「実はトリートメント効果の持続について、1年間で比較すると、
- 毎月美容室でトリートメント12回(ホームケアなし)よりも、
- 4か月ごとに年3回の美容室トリートメント + 毎日の流さないトリートメントでのホームケア
の方が実は効果が長持ちします。
コスト面でも、12回のサロントリートメントで年間72,000円かかるのに対し、後者は3回のサロントリートメントとホームケア商品1年分(6本)で年間42,000円(一ヶ月あたり3,500円)と、より経済的です。
ただし、この効果を得るためには、最初に説明した【美容師側の意識するべきポイント】の①②③が重要です!」

「なるほど!そんなに料金面もコスパよくなるなら、家での髪の拭き方やドライヤーをきちんと頑張る気になりますね!」

「そうなんです!それでは詳しく、まずは
【美容師側の意識するべきポイント】
- トリートメント成分がすぐに流出しないように、事前に定着力を高める下ごしらえ
- お客様の髪の状態に合わせて、必要な成分を見極めること
- 成分導入後の定着処理
について、一つずつ解説していきますね!」

「ではまず、
【①トリートメント成分がすぐに流出しないように事前の定着力アップの下ごしらえ】
についてです。
健康な髪はキューティクルの開閉機能によって、内部の水分量を11%〜14%に保っています。水分量が10%以下になると髪はパサつき、15%以上になるとゴワついてしまいます。トリートメントは脂質が主成分で、水分が少なすぎる髪には浸透せず、多すぎる髪では定着しにくくなります。そのため、適切な水分量の状態でトリートメントを行うことが、効果的な浸透と定着に繋がるのです。
当店では、以下の薬剤を用いてトリートメントの前に下ごしらえを行い、髪の水分量を適切に保ちます。
-
ポリK
ポリフェノールの脱水収斂剤で髪の水分量を調整し、トリートメントの効果を最大限引き出します。 -
BYAC
毛髪の強度を上げ、収斂させることで水分量を適切な範囲に整え髪に必要な下ごしらえ処理を施します。
また、例外として、水分量が10%以下の髪が過度なアイロンやコテによる熱でケラチンタンパク質が変性し、撥水毛状態になっている場合には、
-
浸透促進原液
これを使えば、熱でケラチンタンパク質が変性した、撥水毛状態でも剤を浸透させることができます。
あと、
美容師側が絶対に意識すべきこと!として、【薬剤塗布するごとに毛髪の水分量を管理する】
というのがあります、
薬剤Aを塗布した後、その水分で髪の水分量が増えると、次に塗布する薬剤BやCの浸透と定着が悪くなることがあります。そのため、薬剤Aを塗った後はタオルで余分な水分を取り除き、次に薬剤Bを塗布します。同様に、薬剤Bを塗布した後も髪の水分量が増えた場合は再度タオルドライし、薬剤Cを塗布します。このように、各ステップで髪の水分量を適切に調整するテクニックが重要です。
次に
【②お客様の髪の状態ごとに必要な毛髪の成分の見極め】
ですが、髪の主成分は以下の通りです。
- ケラチンたんぱく質(約8割)
- 脂質(セラミド、コレステロール、コレステロール硫酸など)
- 各種アミノ酸
髪の状態を視診・触診でよく確認し、「何が不足しているのか?」を見極めます。その上で、必要に応じて各種ケラチンやセラミド、コレステロールを使用してトリートメントの調合を行います。
最後に
【③成分導入後の定着処理】
ですが、以下の薬剤を使用し、成分をしっかり定着させます。
- ヘマヘマ:ケラチンの架橋定着を促進
- フィクサー07:脂質の定着をサポート
- キトキト:成分の流出を防ぐ処理剤
これらを組み合わせて、髪に必要な成分を効果的に定着させます。

「トリートメントだけでもそんなに薬剤が必要なのですね。
これを聞くとダメージさせないことが一番結果的にコスパが良くなるのだなと感じます」

「はい!トリートメントは、ダメージしてしまった髪には大事なんですが、結局は足りないものを補う対症療法なので、一番は根本治療である頭皮の状態を良くするのが、長い目で見て一番だと 思います!」