自宅でのヘアカラーの
リスクと
サロンで推奨される
安全な白髪染め手法

市販ヘアカラー剤の使用時に
起こり得る頭皮の問題と
その回避策、専門家による
ヘアカラー後の適切なケア方法

市販カラー剤使用時の
一般的な頭皮トラブル事例

家庭でのヘアカラーは手軽で経済的ですが、適切な知識と技術がなければ重大な頭皮トラブルを引き起こすことがあります。ここでは、市販のヘアカラー剤のリスクと、美容室での安全な使用方法について詳しく説明します。

「ケン先生！ずっと自宅で市販のカラー剤で白髪染めしてたんですが、頭皮がすごく痒くなってしまうんです」

家庭用ヘアカラーによる
アレルギー反応の主な原因

「洋子さん、それは大変ですね。実は家庭用カラー剤自体に問題があるのではなく、ホームカラーでの問題点として、

①カラー剤のすすぎ残しによる残留ジアミン色素
②頭皮を弱酸性に戻す処理ができない。

があります。美容室でプロが行うカラーより、
かぶれや炎症、残臭やジアミン色素残留によるアレルギー発作のリスクが高まるんです。
まずは、本当にアレルギー抗体が出来てしまったのかパッチテストで調べてみましょう！」

パッチテストで即時型の
ジアミンアレルギーをチェック

「カラー剤を腕の内側の目立たない部分に少し塗りますね。（ケン先生、腕の内側に10円玉ほどの大きさで塗布する）よし、では30分ほどで一度見ていきますね」

パッチテストで遅延型の
ジアミンアレルギーをチェック

（30分後…）「特に、皮膚に赤味や発疹などの異常は無いですね…即時型のアレルギーではないですね。遅延型かもしれないので今日はこのテスト部分は洗わないで明日今くらいの時間に電話もらえますか？24時間後も赤くなってなかったら、明後日まで置きますね。遅延型は最大48時間後までは見て見ないと反応がわからないので」

（24時間後…電話が鳴る…）

『もしもし、けんさん？　48時間立たずにもう赤くなって痒みがあります。ヘアカラーはあきらめた方がいいですか？』
『……はい、わかりました。また、お店の方にお伺いします』

「24時間で反応出たという事は、やはり遅延型のアレルギーですので、

もうジアミン抗体が出来た以上はジアミン色素を使ったカラーは出来ませんね。

お家でやる場合はジアミン色素を含まない、ヘナやマニキュアで色を入れる方法などがありますがヘナもジアミンが入っているものがあるので注意です。
あと、ヘナやマニキュアは明るさを上げることができないのでもし明るくしたい場合はうちのお店でジアミン色素を含まないライトナーで明るくできますよ」

「マニキュアはすぐ色落ちするし、あまり色の出方もすきじゃないのよ。ヘナも昔やったことがあるけどパーマかからなくなるのと、色が抜けると赤オレンジみたいな色になるのが嫌なのよ。
先生が前に言っていた、小麦粉主体のカラーでしたっけ？　あれだと大丈夫なの？」

「和漢彩染カラーですね！確かに小麦粉、コーンスターチ、ハーブ、染料を使用した低刺激のカラー剤で、

通常のカラー剤に比べるとジアミン色素の含有量は少ないですが、ジアミンは含まれています。

当店では、過去にカラーでかぶれたことはないものの、痒みを感じたり、将来的にアレルギー反応が起こる可能性があるお客様に対して、

①頭皮に保護オイルを塗る。
②くしで塗布するゼロテクやハケで塗布するフラットタッチ等の特別な塗布技術を用いて頭皮にカラー剤が触れないように塗布。

等の対策をしています。
しかし、洋子さんの場合はすでにアレルギー反応が出てしまっているため、和漢彩染カラーであってもリスクがあり、使用を避けるべきですね」

「こんなことになるなら、家で白髪染めなんかするんじゃなかったわ」

架空のシーン終わり・・・

美容室でのパーマと
カラー後の
アレルギー対策と
後処理技術

札幌の美容技術教育会社㈱ビーアンビシャスの美容師向けカラーセミナー講習会場へ場面は戻る

パーマやカラー後の
アレルギー予防の
頭皮保護前処理、
後処理技術、
及び専門的なケア製品の
美容師向けセミナーの一例

美容師ゆりあさん「ケン先生、カラーもパーマも抗体が出来て、アレルギー感作起こすと恐ろしいことになるんですね！」

「今日は架空の人物の洋子さんと僕のやり取りというシミュレーションで、カラー時の注意点について今回ご紹介しましたが、皆さんのお店でもジアミン染料の抗体をつくらないように気を付けてくださいね。
抗体をつくらないために、

①パーマカラー時は必ず、頭皮保護の前処理とカラーであればゼロテクやフラットタッチなどの技法、パーマであれば中間水洗、そして還元剤や酸化剤や染毛剤、アルカリなど元々髪や頭皮にはない成分をきちんと除去すること

②髪と頭皮の本来のペーハー（PH）である弱酸性にきちんと戻すバッファー処理をきちんと行うこと

で、パーマカラー時の感作のリスクが大きく下がりますので、明日からのサロンワークから実践してみてください。
特にリトルサイエンティスト社の

残留還元剤不活化&過酸化水素２剤除去剤の
👉ヘマヘマ

バッファー処理剤&臭素酸塩(ブロム酸)２剤除去剤&過硫酸塩除去剤の
👉キトキト

アルカリ残臭&還元剤残臭消臭剤
👉シブミン

ヘマヘマ+キトキトの自宅ケア用粧剤
👉DETRA(デトラ)

は優秀ですので後処理で必ず使うことをお勧めします。それぞれ動画で見てみてください。
お客様の頭皮や髪を守るのが僕ら美容師の務めですのでしっかり行いましょうね。
本日はお忙しい中、株式会社ビーアンビシャスのパーマカラー縮毛矯正の後処理実験講習にご参加いただき有難うございました。
最後にカラーのかぶれを予防する後処理工程の基本であるヘマヘマやキトキトの動画もご紹介しますね」