実際の施術事例から見る|ハートシェイプドボックスの長持ちカット
ヘアスタイルを長持ち
させるための鍵
「こんにちは、ケン先生。今日は特別に、ハートシェイプドボックスの長持ちするカットの秘訣についてお話を伺えると聞いて、とても楽しみにしています!」
「こんにちは、かのんさん。お越しいただきありがとうございます。美容師として25年間、多くの髪と向き合ってきました。長持ちするカットには、実はいくつかの秘訣があるんですよ」
「そうなんですね!どんな秘訣があるのでしょうか?」
「まず、大切なのは観察力です!ハートシェイプドボックスが乾いた状態でドライカットするのは、僕ら美容師もお客様も切りながらリアルタイムで髪を観察出来るからです!
髪は濡れているとき、乾かしたときで、形状に差がでるので、当店では、ドライカットが9割なのはその為です。
観察ポイントは4つあり、
①一番外枠である髪の形状質感(太さ、量、密度、表面形状)、
②次に外枠である頭蓋骨の形、
③内枠である、おでこの広い狭い、目の位置、目の左右間距離、唇の位置、あごの長短と首筋からのライン、首の太細、立ち耳寝耳
④そのお客様ごとの生活スタイルとお客様の目線や表情
で、この4つを徹底観察し考慮してカットを行うことで、スタイルが長持ちしやすくなります」
「たくさんのことを考えるんですね。観察力のほかには何かあるんですか?」
「実は、観察力が優れていて、さらに対応力もあるのが理想なんです!
対応力を分類すると、
①様々な髪質&髪状態にも対応できる切り口形状と削り方、梳き方のカットバリエーション
A.頭蓋骨の形に対応する調整技法
丸みコンベックス、えぐりコンケーブ、インナーグラふんわり梳き、インナーレイヤータイト梳き、内側フワスライドふんわり削り、セニングシザー技法
B.髪という素材の調整技法
クセ活かし削り、クセ弱め削り、バタフライエフェクト浮遊感削り、質感を損なわないシザーでポインティング梳き、柔らかく見えるカット、硬く重く見せるカット、羽根のように軽やかに削るカット、毛流れ強調削り、毛流れ相殺削り)
②どんな骨格にも対応できるカット土台構築力
(ライン上げ下げ、繋げる、繋げない、オーバーダイレクションコントロール、立体裁断、フリンジ束、隠しレイヤー、立体束乗っかり、独立浮き毛、ウェイトずらしリフトアップグラ&リフトダウンレイヤー等)
③提案&受け入れ幅の引き出しバリエーション
(ヘアデザインバリエーション、特殊なカット依頼対応力、髪質&髪状態や季節ごとの削り方梳き方使い分けバリエーション、)
こんな感じで、長年の様々なカット経験を経て、成功もあれば失敗してやり直させて頂いてを繰り返して、25年かけて質感をコントロールする対応力に行き着きました!」
「そんなに細かく使い分けてカットしているなんて、初めて知りました!」
「はい、若い時は、調子こいてカッコよく見せたい!技を見せたい!となって色々派手なデモンストレーションカットしてましたが、今はお客様の髪という素材に合わせて、最適解で長持ちするカットになるよう技法を使い分ける事を心がけています」
「そうやって切る事で、お家でもやりやすい仕上がりになるし、長持ちする理由がよくわかりました。これからもお願いしますね!」
「ありがとうございます!あと、ハートシェイプドボックスのスタイリストは、得意分野がそれぞれありまして、
が前髪&顔周りカットの似合わせやカラーと連動したカットデザインのスペシャリストで、
が、メンズカットやパーマ再現性が高いカットとヘアアレンジのやりやすさを考慮した(アニメ髪再現も得意)カットデザインのスペシャリストで、
は、ショートカットとくせ弱めるカット、くせ毛活かしカットのスペシャリストです」
このお客様は、軟毛サラサラなので、ただ切って軽くするだけだと平面的なボブになり立体感表現が難しいので、内側フワ立体感スライドorセニングで束が浮遊して空気が通る隙間と動きのあるボブデザインになっています。ただし、量感が乏しくなるくらい削るのはNGです。
もし硬毛・多毛だったら、襟足のみ隠しレイヤー+ハチライン凸部立体裁断などでタイトに納め、質感は毛束クルクル捻りながら360度削りスライドで柔らかさも表現できます。
それと連動してカラーも明暗つけて立体を表現しています。
担当 山中麻莉菜
このお客様はパーマですが、セニングで梳いてパーマしてしまうと軟毛特有の細かいチリパサ感が出てしまい、パーマのウェーブがきれいに出せません。なので、根本寄りの中間部分に狭い短い幅のピンポイントスライド削りか、その範囲だけのピンポイントセニングで、中間から毛先は毛束を先細りにせずに重さを残します。
そうすることで、毛先までくっきりとした束感のパーマウェーブが表現されています。
担当 成田野乃佳